過去の深いぃ話のまとめ

~2013年の深いぃ話~

 

【今月の深いぃ話】  ※家主さん編 ・ 借主さん編 はそれぞれクリック!

12月の深いぃ話

「退去後のハウスクリーニングのタイミングはいつがベスト」?

~家主目線と借主目線の違い~ 

先日、とある不動産屋さんと話をした。

「適正価格で古い物件の売却依頼を受けたけど、一年以上売れないんだよ。奥山君のところでどうにかお客さんを紹介してよ~」

って。

 

金額も適正だし、物件見学希望者も多いとのこと。

「クロスも30年近く同じものだし、金額を下げるという前にクロスだけでも張り替えてみたら?」

と提案。

 

すると先方の不動産屋さんは

「売主の先行投資になるでしょ?嫌がるよね~。」

 

「え?売主さんは価格を下げる覚悟はあるみたいだし、価格は適正だと思うのならクロスの張替えをするべきじゃないの?」

 

先方の不動産屋さんは私の素人発言に納得していない様子。

そこで私は

例えば、商品が大量に陳列してあるスーパーなどで、陳列商品が汚いことはないのでは?

商品を「お客さんがレジに持ってきてくれたら綺麗に拭くんだから大丈夫」っていうお店は存在しないのと同じ。

買主の目線。つまりそこに住んだ時のイメージを膨らます手伝いも大事なのでは?

 

と話したところ、ようやく納得したご様子♪

その一ヵ月後「売れたよ~」の連絡が入った。

「クロス張替えで30万掛かったけど、値下げしないで売れたよ!」と。

 

さて。

ここからは賃貸物件の話です。

賃貸借契約が解約となり、次の入居者を募集するとき。

いつハウスクリーニングを入れるか!?

 

【貸主目線】

・いつ入居者が決まるか分からないから、入居者が決まってから

・その方が入居者もピカピカの状態で新生活がスタートするし♪

・それと・・・。ハウスクリーニング入れてから数ヶ月経つと、埃もたまり、また清掃しなくちゃいけないしね。

 

【借主目線】

・第一印象が・・・今ひとつだね・・・。

・新生活のイメージが沸かない

・綺麗になるっていわれても、どれだけ綺麗になるの?

 

入居率がいつも100%♪

そんな物件なら家主さんの努力も少なくて良いでしょう。

しかし、供給過剰状態の賃貸市場。

借主目線で努力をしないといけないのかもしれませんね。

その努力とは賃料を下げて募集するという方策も必要な場面はあるかと思いますが、すこし行動することで入居率は上がるかもしれませんね。

もちろん当社では家主さんのお手伝いをしております。

それは家主さんのためであり、借主さんのためでもあるのですから。

 

 

 

11月の深いぃ話

「家賃保証会社利用率は1割?」?

 最近、賃貸借契約締結時に「家賃保証会社利用」が条件になっている物件が多くなっているように感じます。

借主さんに「家賃保証会社」を利用してもらうことは、大家さんの要望によるなのですが、そもそもこのシステムが出来上がったきっかけは

「(悪質?)借主さんの滞納や夜逃げ」が多発に依ります(たぶん)。

 

そこで「ある」アンケート結果によると

「家賃保証会社」「連帯保証人」利用率は

 

・家賃保証会社利用のみ・・・約10%強

・家賃保証会社利用+連帯保証人・・・約10%弱

・連帯保証人のみ・・・約60%強

・家賃保証会社も保証人も不要・・・約10%弱

 

大家さんが家賃保証会社を利用しようと考えたきっかけについては。

 

・滞納発生時、連帯保証人より代位弁済が早い・・・30%

・連帯保証人と連絡が取れなくなったことがあるから・・・15%

 

など連帯保証の「連帯保証人としての理解不足というか、責任感の無さ」というか・・・。

このような状況では、今後、家賃保証会社への加入義務付けが増えていく気がしますね。

 

個人的なまとめ。

「家賃保証会社制度」は貸主・借主(連帯保証人が居ない方)にとって、ありがたい制度なのではないか。しかし、この制度があるからといって、本来、不動産業者が行うべき「入居審査」が緩んではいけないと思うし、「入居審査」を通じ書面だけでは分からない借主さんの「人柄」で総合的に判断していく必要があるように思えます。

10月の深いぃ話

「賃料発生日」って「入居日」からでしょ?

 

当たり前のように「賃料発生は入居日から」って考えていませんか?

実はこの考え、実務上というか、家主さんのサービスというかそういった要素があり、借主さんへのサービスだということをお忘れなく。

 ※サービスといっても借主さんへの恩着せがましい意味ではありません。

 

本来でしたら当事者同士の

「意思表示が合致した段階で契約は成立」

しています。

 

これに関して、超・稀に以下のようなトラブルが生ずることがあります。

(ほとんどありませんが「賃料発生日」の仕組みを理解するために知っておいて下さい)

 

【例】

・借主は1月10日に賃貸借契約を締結

 ↓

・手持ちがなかったから敷金・仲介手数料・火災保険料のみ支払う

 ※本来は日割り精算金額等も支払うけど。

 ↓

・借主は「入居は営業さんにも話をした通り1月20日でお願いします」

 ↓

・不動産屋さん「OKです!」

 ↓

☆借主は後日不動産屋からの日割り精算金額を見てびっくり!

 日割り精算金額が1月10日からになってる!!!

 

これは感覚的には「???」ですが

特段の特約がない限り

『借主は契約締結日=賃貸借期間の開始』となり、違法ではありません。

(恐らくこのような契約書はないかと・・・。仮に存在したら間違えでは無いということを覚えおいて下さい。)

 

もし、このようなトラブルがあったら不動産屋さんの営業マンの説明不足かな。

 

しかし、借主さんも「賃料発生の基本は契約締結日」であることを理解し、不動産屋さんに確認をしたほうが良いかと思います。

当社は、入居日から賃料発生にしています(大部分の不動産屋も同じだと思います)。

 

来月は

「ならば、賃貸借契約を締結したものの入居前に解約をした場合は?」を考えて見ます。

 

 

9月の深いぃ話

貸主・借主から見た「1ヶ月のフリーレント」ってどうなの?

 

家主さんの立場からすると

「賃料交渉で対応するよりは・・」・

「空室にしておくよりは・・・」 

いろいろと考えて「了承」

するのではないでしょうか?

 

借主さんからすると

「フリーレントはありがたい!」 

 

立場による考え方のギャップを考えると、ここはフリーレントの考え方を「家主さん」に向けて説明した方が良いかと思いますが、フリーレントの構造を借主さんも理解してみてくださいね。

 

さて。

不動産屋の本音としては

「大家さんへのフリーレントの交渉はちょっと気が引けるけど、賃料交渉で対応するよりは・・・。このお客さんを逃してしまうと次のお客さんが来るか心配・・・」

そんな気持ちで大家さんにお願いしていると思います。

 

そこで、こんな特約を付けてみてはどうでしょうか?

『借主は中途解約(最初の2年間の途中)をした場合、賃料1ヶ月分を違約金として支払うこととする』

と(ここで借主さんは「これは酷いよ!」って思わず、最後まで読んでみてください)。

 

家主さんの意向は

「2年以上入居してもらうこと(メリット)」「滞納をしないこと」を条件に1ヶ月分無料にする

 

借主さんとしては

契約履行すれば支払うべき賃料1カ月分が無料になる

 

つまり!

お互いがメリットを享受するので消費者保護法に抵触することが無いんです。

さらに

大家さんとしては「フリーレントか・・・。仕方ない。納得しよう・・・。」

っていう気持ちが少し無くなり「前向きな納得」になるのではないでしょうか? 

ただし以下のケースでは裁判所は「それはちょっとやりすぎだよ」という結論を出しています。 

 

【中途解約の場合残存期間の賃料等を違約金とする特約の効力】

簡単に言うと

「契約後最初の4年間(事業用)で解約をした場合、残存期間の賃料を支払え」

という特約を付けたケースで、借主が10ヶ月利用しただけで解約を申し出た(残存期間3年2ヶ月)。

 ↓

貸主は特約通り3年2ヶ月分の違約金を請求

 ↓

東京地裁判決では

「1年分の賃料と共益費相当額の限度が有効」

それ以上は公序良俗に反しているので無効!(=それはやりすぎでしょ!)

もうひとつの理由としては

解約した後、1年位すれば次の利用者が出てくるから、この場合には賃料の二重取りになっちゃうよね?

ってことだと思われます

※ただし、コノ賃借人しか使用できない建物を建築し、賃貸している場合にはこの限りではないと言われています。

 

ということで、納得できない不動産屋さんからのフリーレント交渉。

こんな形で対応されてみてはいかがでしょうか?

逆に借主さんはフリーレントで享受する「メリットの構造」を知っておいてはいかがでしょうか。


8月の深いぃ話

「最近の立退き正当理由って?」

家主さんより入居者に

「あっ。半年後の更新はしないからね」

と言えないのが現在の普通建物賃貸借契約のルール。

更新しないのであれば家主の正当事由が必要なんですよね。

 (※家主と入居者間での背信行為や、禁止行為を事由にする場合には「解約」という手続きですのでお間違いなく)。

「正当事由とは」と書くと、もう何となくご存知かと思われるので割愛しますが(実は明確な定義が無いんですが)、2013年3月にこの正当事由に新たな判決が下されました。

それは。

「建物の耐震不足」を理由とするものです。

この事例を簡単に書くと、

「築30年以上の建物の耐震性を理由に、入居者への立退きをお願いした際、入居者は嫌だ!ここで生活をする!としたことに対して家主が立退きを求めた」という裁判。

結論は上記の通り、家主の勝訴。

もちろん家主は入居者に対して

①移転先の斡旋

②転居費用の支払い

などを実際に提案、退去に伴う経済的負担等に充分配慮をしており、このことを裁判所は評価。

この上で、賃貸借契約の更新拒絶は「正当事由あり!明渡し請求を認める」とした。

で!

入居者に対しては、建物明渡しのほか、建物明け渡しまでの違約金として1ヶ月あたり賃料相場の1.5倍の支払いを命じている。

今の段階では被告(入居者)は上告するかは不明だが、上告の有無に関わらず判決を仮に執行することを認めている。

という新たな「正当事由」の指針が示された。

 

ここで。

「じゃあ、定期借家契約にすれば更新は無いんだから、こんなトラブル最初から無くて良いじゃないか」と安易に言えませんよね

入居者の生活の安定を考えれば・・・。

 

ある不動産屋が入居者に対して「定期賃貸借契約ですけど何も無ければ、新契約は出来ますから普通賃貸借契約と変わりませんよ」

なんて言うことがあるそうですが、それは違いますよね・・・。

 


7月の深いぃ話

「土地の固定資産税が6倍になったんだけど!」

という方はいらっしゃいませんか?

あまりピンと来ないかもしれませんが、

例えば

「平成24年に住宅を取り壊した」という方が当てはまるかな。

「建て替え」というイメージより

「亡くなった両親から譲り受けた古家。最初は住んでいたけど、広すぎるからマンションへ引越し。両親の古家は取り壊して更地にしてある」

って感じをイメージしてください。 

固定資産税は土地の上の一定要件を満たす住宅があると

「住宅用地に対する課税標準の特例」が適用されているんです。

しかしこの建物の滅失やその住宅の用途を変更すると本特例の適用から外れることになるため、固定資産税が増える(というよりは割引がなくなり「定価」になるって感じ)なんです。

小規模住宅用地・一般住宅用地等の基準があり詳しくは割愛しますが、特例を受けている建物が滅失した場合、大体何倍ぐらいになるのか。

ズバリ!小規模住宅用地の場合は6倍!(一般住宅用地の場合は3倍)

6倍です!!!

「古くなったから更地にしておこう」なんて気軽に考えると・・・。

しかし利用しないのに古家を放置しておくと、ゴミを投げ入れられたり、放火等の治安悪化が想像できます。

まちを歩いていて「この家は誰も住んでいないだろう~。壊せば良いのに。」

って簡単には言えないということですね・・・。

【おまけ】

では「建物がなくなったかどうかはどうやって調べているの?」という疑問が。

それは!

毎年航空写真を撮影しているそうです。

毎年その画像を照らし合わせて

「おっ!建物が無くなってるぞ!!!!」

とやっているらしいです。


6月の深いぃ話

「賃貸物件での孤独死。回復費用はどれくらい?」

賃貸人が賃貸借契約を解約する際には「貸主の正当事由」がなければ解約できないという決まりがある以上、入居者審査は一層厳しくなりますよね。

その「厳しさ」というべきか「弊害」というべきか、

「高齢者」というだけ

「う・・・・・・・・」と悩んでしまう家主さんは多いのではないでしょうか?

そこで。

誰にで。

そして年齢に関係なく。

突然にして迎えることになる「死」。

今回は賃借人が室内で「死」を迎えた場合、その回復費用はどのくらいなのか?

を考えてみます。

ズバリその費用は

その発見に時間がかかり、匂い等が室内付いてしまった場合150万円~200万円といわれています。

壁紙・床・清掃等の現状回復費用がその内訳です。

さて。その費用。誰が払うの?

その家族や連帯保証人が要ればその方が。

では。

その方々がいない場合は家主が払わざるを得ないことになります。

もちろんその後は「11月の深いぃ話」の中でも書きましたが、事故物件扱いになる場合には賃料を減額させて賃借人を入居させるという更なる負担を貸主は負わなくてはなりません。

そのため最近では貸主向けの回復費用や賃料減額を保証する保険があります。

その保険料も賃料5万円以下の物件では月額270円と安価になっています。

賃借人(入居者総合保険等)に保険加入してもらうことが常識となった今、これからは家主さんも上記のような保険に加入する時代になるのではないでしょうか。

 

 


5月の深いぃ話

「宅建業法上、賃貸管理は含まれないんですか?」

答えは「YES」です。

賃貸は、売買に比べて身近な業務であるのに賃貸管理に関する規定は無いんです。

宅建業法設立当時、賃貸管理制度がココまでメジャー化するとは想定していなかったことが要因だと思われます。

そこで、最近、私のブログでも書かせてもらっていた「賃貸不動産経営管理士」がその不足部分を補完するという意味で資格が創られたようです。

この制度は不動産に携わる方だけでなく、一般家主さんも取得できるということです。

この資格は現在、任意・民間資格でありますが、行く行くは国家資格を目指しているそうです。

国家資格への可能性は・・・。色々な側面から見ても・・・。低くはなさそうですね(個人的感想)。

この資格、今年から試験制度が変わりますが、今年、来年は年に1回。

その次からは年に2回の実施を予定しているそうです。

試験対策ですが、独学でもOKでしょうが、以前の講習テキストを見てみると800ページ・・・。

「賃貸管理」という側面からその分野は「税務」「建築」など多岐に渡る為、出来れば事前講習を受講されると良いでしょう。この講習会は2日間に渡り開催され、受講完了者は本試験時「3点」加点されるそうです。

ザックリ私なりの感想を書きますと『以前の賃貸不動産経営管理士資格取得とほとんど変わらない』といったところでしょうか・・・。

そして一発合格を目指すなら、2日間の講習は必須と言ったところでしょうか。

現在の「賃貸管理」は、不動産業者のモラルに委ねられているというのが実態はないでしょうか。

 

 


4月の深いぃ話

「スギ花粉の多い地域です。って重要事項説に記載するの!?」

 先日、月一度発行の「宅建ニュース」編集会議のため、埼玉県宅建協会広報委員会に出席しました(編集といってもほぼ事務局の方が作成しているので、最終確認作業ですが・・・)。

 一昨年までの「宅建ニュース」は記事のほとんどが会員向け要素だったのですが、社団法人から公益社団法人に変わった関係で、会員への専門的情報と一般の方々への情報を掲載することになりました。

 そこである見出しが気になり一時間以上議論が続きました。

 そのページの見出しは

 「埼玉県内洪水ハザードマップの閲覧が可能です」

 という記事。

 不動産業者へは「ハザードマップが存在しますから、見ておいてね!」という要素が。

 一般消費者へは文面どおり「閲覧が可能です」

 というもの。

 そこで何とも言えない変な気持ちに・・・。

 不動産取引を熟知している一般消費者からすると

 「ハザードマップが存在するなら、該当箇所は重要事項説明義務あるでしょ!?」

 そうなんです。

 確かに将来の危険性や想定しうる事態が判っている場合には記載が必要なんです。

 すでにご存知かと思いますが

 「隣地に建物が建築され日当り眺望が変わる可能性があります」

 という記載がすでに義務付けられてことから、ハザードマップ該当地域はその旨を記載する必要が出てきそうです。

 しかし、各市町村によってハザード対象地域の広さに違いはありますが、ある市においてはとんでもなく広い地域が該当し、すでに何十年も無被害で生活しているにもかかわらず、ハザードに該当してしまう地域もありそうなんです。

 恐らく

 「近いうちに関東を中心に大震災が発生する可能性が高い」という情報を元に、津波に伴う洪水被害を想定しているのでしょう。

 買主目線からしたら「そんな危険性があるなら教えるのは当然だ!」というご意見はごもっともです!

 逆に売主目線からしたら「何十年、何百年無被害なのにそんな地域に指定されたら・・・。」

 私としては

 「不動産取引において将来、想定しうる可能性を告知する義務は不動産業者にはある」と思っています(本当に)。

 でも、以下の疑問をどうしても持ってしまいます。 

①都市部に大きな被害を及ぼす異常気象によるゲリラ豪雨の方が、被害回数は多いし、発生可能性は高いことからこちらも記載する必要があるのでは?

②取引に該当する地域周辺に活断層が通っている場合も告知しなくてはいけないのでは?

③特に西日本ではある大陸からの大気汚染による被害もある可能性があると告知しないと?

④もしかしたら「スギ花粉」が非常に多い地域です

なんてことも、記載したほうが買主さんのためになるけど、売主さんからしたらその逆の可能性が。

 一生に数回しかない大きな買い物ですので慎重な取引が求められるのは当然だと思いますが・・・。 

 真剣に考えてみたいと思います。

 

 

 


3月の深いぃ話

「仲介手数料0円!って不動産屋はどこで収入を得るの?」

 私は法令順守委員という立場でもあるので、まずは先日あった相談から。

 『店頭やHPに大きく「仲介手数料0円(一部仲介手数料あり)と表現されている不動産屋さんがたまーにありますが、これは消費者に誤解を与える可能性があるから不当表示ではないですか?』

 という相談です。

 結論は。

 取り扱っている物件の

 「多数が仲介手数料不要なのか」「多数が仲介手数料を必要としているのか」

 により不当表示か、そうでないかが分かれます。

 一部の物件が「仲介手数料0円」であれば「一部仲介手数料が0円となる物件もあります」

 と記載するのが正解。

 当たり前のことですよね。

 と言いながらも、消費者の方の目を惹くことだけを考えると、不当表示になる可能性があるので注意したいですね。

 ここでひとつの矛盾が。

 賃貸物件についてですが

 「仲介手数料0円」の場合、不動産屋さんはどこで収入を得るのか!?

 ココからは少し禁断と言うか、表現しづらいというか、時代を表しているというか・・・

 この「仲介手数料0円」の最大の原因は

 賃貸物件が「供給過剰状態」にあることかと思われます。

 新築物件は、現代の入居者ニーズにあった「広さ」「設備」等を兼ね備えています。

 中古物件は?今のニーズにちょっと合っていない物件も。

 このような状況では経済の仕組みからして、価格差(賃料差)が当然にして生まれます。

 そこで中古物件は「更なる付加価値(金額的にも)を」と考えるのですが、賃料を下げるにも限界がある。

 そこで考えたのが、「仲介手数料0円」や「1ヶ月のフリーレント」や「礼金0円」物件です。

 勘の鋭い方はお分かりかと思いますが「1ヶ月フリーレント「礼金0円」ってこれらは大家さん(家主さん)が結局負担しているんじゃない?

 そうです。

 上記の3つは大家さん(家主さん)に負担いただいているものなんです。

 借主さんに対する「仲介手数料0円」とは、結局、その分大家さんからいただいているというのが現状です。

 従って「仲介手数料0円物件多数あり!」

 なんていう物件が多い不動産屋さんは、

 ・大家さんへの説得力があるのか

 ・大家さんの足元を見ているというか(表現悪くてすみません)

 ・貸主、借主を考える上でバランス感覚が良くないというか・・・。

 と言いながらも「空室にするよりは良いよね・・・」という大家さんもいらっしゃるので、このあたりは不動産屋さんが積極的に値下げを提案したり、フリーレントを提案するのではなく、大家さんと一緒に納得するまで話合わないといけない事案なんです。

 と言うことで、私なりのまとめです。

 不動産業界に限らず

 「どちらかが得をして、どちらかが損をする」 という結果をもたらしてはいけないと思います。

 貸主さん・借主さんお互いが

 「この不動産屋さんに世話になって良かった~」って思えるような仕事を不動産屋はしないといけないですね。

 


2月の深いぃ話

「国土交通省管轄の賃貸住宅管理業者登録制度ってそもそも何?」

(当社の登録番号は第400号)

日本全国の民間住宅約4,960万戸あると言われていますが、そのうち委託管理(不動産屋と「管理」という部分で何らかの関係を持って賃貸運営をしている物件)の戸数は735万4,000戸といわれています。

このような大きな市場でもあるにも関わらず「賃貸管理業」は特別な法規制がなく、未整備の部分が多いと言われています。

こんな問題を(事前に)解消するために設立されたのが「賃貸住宅管理業者登録制度」です。

と、2011年12月に鳴り物入りで導入された「賃貸住宅管理業者登録制度」ですが、現在、新規登録件数が伸び悩んでいるとのこと。

2012年12月現在の登録数は全国で2,600件。

登録伸び悩みの要因は「認知度」と定期的に提出を求められる煩雑な「書類」といわれています。

実際には小さな不動産業者でしたら管理物件数についても、想像がつくでしょうが、比較的中・大企業になるとその数は大変なものに(実際には中・大手企業の登録が少ないようです)。

全ての賃貸管理業務をこの制度に則り、運営していくのは意外と面倒なのかな・・・。

と言いながらも、国土交通省は消費者の方々を考えて設立したこの制度なのに登録数が2,600社。

割合からすると全国の3%しか登録していないという状況・・・。

この数字はどういうことなのだろう・・・。

認知度の低いこの制度ですが、法人契約で入居を希望する企業にとって、入居物件を管理している業者がこの制度を登録していることを条件に契約締結をする傾向にあるようです。

「好物件でどうしても入居したい!」という物件の管理業者がこの登録をしていない場合「登録をしない正当な理由」を求められることもあるようです。

この制度の詳細は国土交通省のHPに詳しく書かれていますが、

私なりに一言で言うと

「宅建業法以外の管理分野に、しっかりとした規制(法)の網を掛け、消費者保護を目的とする」と言えるのではないだろうか。


12月の深いぃ話

「1坪=3.30578㎡の訳は?」  

世間では「坪」と「㎡」表示の二本立てで広さが表示されていますが、現在では「不動産の表示に関する公正競争規約」にあるように「㎡」表示ですることとされています。

そこで何で「1坪=3.30578㎡」なのかと言う疑問が。

その前に何故「坪」の表記が出てきたのか・・・

それは明治の頃、度量衝を統一するとき曲尺(かねじゃく)を基準にして尺の長さが決められました。それは「1メートルを33分の10を1尺とする」と。

そこから計算をはじめると以下の通りになります。

 

<考え方>

1尺=10/33m

 

1間=6尺=60/33

 *「間」を感覚で言うとバルコニーなどに出るところの窓の広さ?和室の襖2枚分の広さ?

 

1坪=1間×1間=60/33×60/33㎡=3600/1089㎡

                  =3.3025㎡

 *「坪」を感覚で言うと畳2枚分

 

1㎡=1089/3600坪0.3025坪

 

ということで「坪」「㎡」表示を考えてみました。


11月の深いぃ話

「事件・事故物件の告知すべき期間って具体的にどのくらい?」

これはブログの転用ですのでご了承下さい。

昨日、埼玉県宅建協会の広報啓発委員会に出席してきました。

会議は「埼玉県宅建だより」の校正が中心。

会議後は懇親会。

そこで、尖閣諸島や竹島問題が話題に。

「話し合いで国境が改められた過去は今まで無い!」等の激しい意見がでるなか、ふと思ったこうことが。

それは「貸家内での事件・事故(老衰)の告知義務」だ。

実は「事件」が発生した際、次の入居者へ事実を告知しなければならない。  

事故」の場合はその状況によりその事実を告知しなければならないのです。

ちなみに「その状況」とは、死亡後数日が経ち、異臭等が発生した場合には告知するべき。死亡後、即発見された場合は告知しなくても「良いとは言えない」のです。  

この辺は、次の入居者の気持ちを考えると当然だなぁと思う。

しかし、その事件・事故の告知すべき「期間」が問題なんです。  

「○年間は告知しなさい」という規定や判例が無いんです。

告知期間が明確でないんです。

 

なぜか?

その考え方の基準はこうです。

 

事件・事故後、数年・十数年経った物件に、その事実を知らずに入居した人が、周囲の方々や色んな情報によりその事実を知ることとなり

『嫌な気持ち』になったり、

その部屋に入居することにより周囲から

『あの人、あの部屋に入ってるよ。凄い人?変な人?』

って思われることにより

入居者が『そんな物件だったら入居しなかったよ!』

となった場合は、告知義務を怠ったという判断になるんです。

基準は事件・事故物件に入居した人の「主観」に委ねられていると言うことです。

 

「事件・事故物件」となるとどんなことが発生するか?

 

 事件、事故物件は大家さんはの収入は激減

  ↓

 事件は予想できないが(事前にトラブルを抱えている等の情報で予想が出来る場合はある)、事故(老衰等)は予想できる

  ↓

 高齢者の入居を断る

  ↓

 高齢者の行き場がなくなる・・・

 

こんな社会的問題が起きつづけるということです。

 

こんなシミュレーションというか、対応を不動産業界の講習では毎回行っている。  

何が言いたいかというと、  

事件事故が発生した場合「こうして欲しいな」と思っています。  

①しっかりとした告知期間を定めて欲しい

②判例は一定でないので『埼玉ガイドライン』でもつくるべきでは?

③結果、高齢者の受け入れが容易に

④もし事件事故が発生した場合でも、損害期間が想定できるので保険会社がそれ相当の保険商品をつくってくれる(今でも商品はあるけど今ひとつ・・・)

 

ということで、事件・事故物件の告知期間の問題は、相当の時間、問題の先送りになっている。  

さらに発展すると、不良入居者(常に賃料を2~3ヶ月滞納している方等)を賃貸借契約書どおりに「解除」することが出来ない事実がある等の問題も関連しますね・・・。

 

*都市伝説で事件・事故後、一人でも一定期間入居していれば「告知義務が無くなる」という噂がありますが、そんなことはありません???

というか、恐らく、事件後、誰かが住んでいいれば変な噂というか、事件の事実が風化しやすいという側面はあるからこんな噂が出たのかも知れませんね。

もし、その次の方が『事件の事実』を知り『相当な嫌な思い』をした場合には告知義務違反になるでしょうね。


10月の深いぃ話

「消費税増税前に不動産を買った方が良いの!?」

2014年4月から8%に上がる消費税ですが「今、どうにかして買った方がいいのでは?」って考えている方が多いのではないでしょうか?

【セントラルの結論】

     諸費税増税に関係なく「子供の成長や、しっかりとしたプランがあった方」は購入したほうが良い!

     何となく「増税前に買った方が得だよね~」って考えている方は「待て!」

と結論付けます!(不動産屋なのに自信を持って「待て」と言っちゃうところが信憑性ありですよね。でも、その機会が来たら当社をよろしくお願いしますね!)

【理由】

まず、今回の増税は10%に向けた段階的な増税であることを確認してください(10%の増税は2016年以降かな)

いつも私が言っていることは、どんな人でも「最安値」で「大満足」のモノが欲しいと思うのは当然。

しかし、不動産を購入する場合「今」を考えるだけではなく「未来」を考える必要があることは皆さんも御存知のことですがココがミソなんです!

皆さんは「未来」に重点を置きすぎる傾向にあるのではないでしょうか?(今が買い時といっている訳ではありませんよ!)

特に「未来」と言っても「底値=購入値段」についてのみシビアになっていませんか?

「子供の成長」「住環境」「通勤・通学の利便性」・・・色々と未来のことを考えていても、まだ「底値じゃないし」という点で引っかかっている。

そんな時に今回の「増税話」。この増税話で購入ニーズが一気に高まる。

不動産を購入するときは多額の費用が掛かるので、ナーバスになるのは当然です。

しかし、底値を待ったり、増税云々で不動産を買って良いのでしょうか?

それを待っている間に、子供は成長するし、お父さんもあと10年ぐらいで退職するし・・・状況はどんどん変わっていきます。

一番大切な、家族と一緒に過す大切な時間(時期)を「値段が下がるまで」とか「増税だから今買っちゃえ!」って決めて良いのでしょうか?

おっと。話が感情的な方向に行ってしまったので客観的データを!

前回の増税時、駆け込み需要は相当ありましたがその反動で増税後は予想通りの大停滞!

需給バランスが崩れたので供給側は何らかの対策を練る。

つまり価格交渉に応じることとなった。

この価格交渉というか、値段が安くなったところがポイント

 例えば当時、2%の増税でしたので2,000万円の家を建築した場合増えた消費税額は40万円*老婆心ながら「土地には消費税は掛かりませんよ!!!」)。

増税後、建物の値段は下がりましたというか、下げたというか、そのような商品を開発しました(全建築会社がこうなったということではありませんが、理屈から言ったらこのような値段設定にしなければ売れませんよね)。

 また、不動産市場も増税により下落傾向に陥るので「地価=土地の価値」の下落にもつながりました。

 つまり40万円以上は安くなったことは事実(全地域ではありません)。

 

【大結論】
 不動産の購入は「値段」も重要な要素ですが大結論は以下の通りです。

底値・増税に左右されることなく、「今」ちょっと窮屈な住まいでも「今後」自分が、家族が一番幸せに時間を過せるための住まいを購入する資金を貯金し「予定通り(子供の入学等)」その「時」に購入することです。

ついでに。ここ数年「少子化」が問題になっていますが、この状況では需要は増えませんよね。結果、供給量も減るわけですから全ての産業で価格が上昇することは理屈から考えるとあり得ないでしょう(超素人考えですが)。

  

【おまけ】

 先日、ある業種の営業さんとお会いしました。

私が不動産屋だと知って、共通の話題を提供してくれただけかと思いますが

 「社長。不動産はいつ買い時ですかね?底値で買いたいけど、下落が続いているからタイミングが・・・」

 営業さんの家族構成や、本人に年齢(49歳でしたが)を聞きました。

 私は以下のことを問いかけました

     今の住まいに満足ですか?→子供2人で手狭です

     あなたはいつまで元気でいられますか?→80才くらいまでかな~と。

     最終ローン年齢は知っていますか?→知っている

     家に帰って「家に帰ってきた~」という幸せ感はありますか→グッタリするだけ

 

 家は「箱」じゃないんですよね。

 家、それを取り巻く環境はエネルギーを充電してくれる場所でなければならないんです。

 一番エネルギーを充電すべき時期にそれが出来ないのは、人生のほとんどを楽しめていないのではないでしょうか・・・。