【仲介手数料0円!って不動産屋はどこで収入を得るの?】
私は法令順守委員という立場でもあるので、まずは先日あった相談から。
『店頭やHPに大きく「仲介手数料0円(一部仲介手数料あり)と表現されている不動産屋さんがたまーにありますが、これは消費者に誤解を与える可能性があるから不当表示ではないですか?』
という相談です。
結論は。
取り扱っている物件の
「多数が仲介手数料不要なのか」「多数が仲介手数料を必要としているのか」
により不当表示か、そうでないかが分かれます。
一部の物件が「仲介手数料0円」であれば「一部仲介手数料が0円となる物件もあります」
と記載するのが正解。
当たり前のことですよね。
と言いながらも、消費者の方の目を惹くことだけを考えると、不当表示になる可能性があるので注意したいですね。
ここでひとつの矛盾が。
賃貸物件についてですが
「仲介手数料0円」の場合、不動産屋さんはどこで収入を得るのか!?
ココからは少し禁断と言うか、表現しづらいというか、時代を表しているというか・・・
この「仲介手数料0円」の最大の原因は
賃貸物件が「供給過剰状態」にあることかと思われます。
新築物件は、現代の入居者ニーズにあった「広さ」「設備」等を兼ね備えています。
中古物件は?今のニーズにちょっと合っていない物件も。
このような状況では経済の仕組みからして、価格差(賃料差)が当然にして生まれます。
そこで中古物件は「更なる付加価値(金額的にも)を」と考えるのですが、賃料を下げるにも限界がある。
そこで考えたのが、「仲介手数料0円」や「1ヶ月のフリーレント」や「礼金0円」物件です。
勘の鋭い方はお分かりかと思いますが「1ヶ月フリーレント「礼金0円」ってこれらは大家さん(家主さん)が結局負担しているんじゃない?
そうです。
上記の3つは大家さん(家主さん)に負担いただいているものなんです。
借主さんに対する「仲介手数料0円」とは、結局、その分大家さんからいただいているというのが現状です。
従って「仲介手数料0円物件多数あり!」
なんていう物件が多い不動産屋さんは、
・大家さんへの説得力があるのか
・大家さんの足元を見ているというか(表現悪くてすみません)
・貸主、借主を考える上でバランス感覚が良くないというか・・・。
と言いながらも「空室にするよりは良いよね・・・」という大家さんもいらっしゃるので、このあたりは不動産屋さんが積極的に値下げを提案したり、フリーレントを提案するのではなく、大家さんと一緒に納得するまで話合わないといけない事案なんです。
と言うことで、私なりのまとめです。
不動産業界に限らず
「どちらかが得をして、どちらかが損をする」 という結果をもたらしてはいけないと思います。
貸主さん・借主さんお互いが
「この不動産屋さんに世話になって良かった~」って思えるような仕事を不動産屋はしないといけないですね。