「ペット飼育禁止アパート・マンションをペット飼育可能アパート・マンションへ変更する際の注意点は?」
これからお話しするアパート・マンションは「賃貸物件」に関する件になりますのでご了承ください(分譲マンションでは管理組合の取り決めが必要になりますので)。
先日、こんな話を耳にしました。
「親が所有しているアパートも古くなって、入居率が低下してきたからペット飼育可能アパートにしようかと考えているけどどうかな?」
建物が古くなったから「ペット可能物件に」という発想については、多くの見解があると思いますが、今回その件はおいておきましょう。
「ペット飼育禁止物件」を「ペット飼育可能物件」にする場合には、注意点があります。
どんな注意点?
それは既に入居されている方々は「ペット飼育禁止物件」と言うことで
①ペットを本当は飼いたいけど、飼育禁止だから仕方ない…。
②ペット飼育禁止のマンションは、ペットの声などの近隣トラブルがないだろうから安心♪
③ペット飼育は大体の物件で禁止されてるから、特に考えたことないなぁ
という理由で入居しているということです。たぶん。
大家さんとしては、費用を掛けずに「ペット飼育可能物件」とすることで、今まで以上の入居希望者が見込めるのでは?と考えるのは当然です(費用を掛けてペット飼育可能物件にした方がより効果的だという考えもありますが、ここではおいておきます)。
つまり入居率アップが見込めそうだということです。
しかし先述したように「既に入居されている方々」がどのような考えなのか、事前調査をする必要があります。
特に②の方々は、物件選択の一つに「ペット飼育禁止だから静かだろう」という入居決定の要因、つまり賃貸借契約を締結する際の判断基準の一つとなっている可能性があるということです。
では、どのような段取りでペット飼育可能物件へ移行するか?
それは、入居者と直接話をして「ペット飼育可能物件」になることに「理解」を得ることが大切です。
家主さんの現況説明(入居率低下等)や気持ちをしっかりとお話しすれば①や③の入居者の方々でしたら理解を得ることは可能かと思いますが、②の方についての対応です。
家主さんがしっかりと説明をしたとしても「隣家にペットが来ることはどうしても嫌!」という結論を出す入居者がいらっしゃる可能性があります。
こうなると入居率アップを目指した「ペット飼育可能物件作戦」も逆効果になります。
結論です。
入居率アップを目的とした「ペット飼育可能物件への変更」には、まず入居者が①②③のどのような考えをお持ちなのか、電話とアンケートで調べる必要があります。
そのためにも日頃の家主さん(不動産屋さん)と入居者さんの日頃のコミュニケーションがしっかりしていると、話し合いもスムーズになるのではないでしょうか。