スギ花粉の多い地域です。って重要事項説に記載する時代が来るのか!?

 (今月の深いぃ話より)

 先日、月一度発行の「宅建ニュース」編集会議のため、埼玉県宅建協会広報委員会に出席しました(編集といってもほぼ事務局の方が作成しているので、最終確認作業ですが・・・)。

 一昨年までの「宅建ニュース」は記事のほとんどが会員向け要素だったのですが、社団法人から公益社団法人に変わった関係で、会員への専門的情報と一般の方々への情報を掲載することになりました。

 そこである見出しが気になり一時間以上議論が続きました。

 そのページの見出しは

 「埼玉県内洪水ハザードマップの閲覧が可能です」

 という記事。

 不動産業者へは「ハザードマップが存在しますから、見ておいてね!」という要素が。

 一般消費者へは文面どおり「閲覧が可能です」

 というもの。

 そこで何とも言えない変な気持ちに・・・。

 不動産取引を熟知している一般消費者からすると

 「ハザードマップが存在するなら、該当箇所は重要事項説明義務あるでしょ!?」

 そうなんです。

 確かに将来の危険性や想定しうる事態が判っている場合には記載が必要なんです。

 すでにご存知かと思いますが

 「隣地に建物が建築され日当り眺望が変わる可能性があります」

 と重要事項説明書に記載されることが多いですが、ハザードマップ該当地域はその旨を記載する必要も出てくるのでは?

 しかし、各市町村によってハザード対象地域の広さに違いはありますが、ある市においてはとんでもなく広い地域が該当し、すでに何十年も無被害で生活しているにもかかわらず、ハザードに該当してしまう地域もありそうなんです。

 恐らく

 「近いうちに関東を中心に大震災が発生する可能性が高い」という情報を元に、津波に伴う洪水被害を想定しているのでしょう。

 買主目線からしたら「そんな危険性があるなら教えるのは当然だ!」というご意見はごもっともです!

 逆に売主目線からしたら「何十年、何百年無被害なのにそんな地域に指定されたら・・・。」

 私としては

 「不動産取引において将来、想定しうる可能性を告知する義務は不動産業者にはある」と思っています(本当に)。

 でも、以下の疑問をどうしても持ってしまいます。 

①都市部に大きな被害を及ぼす異常気象によるゲリラ豪雨の方が、被害回数は多いし、発生可能性は高いことからこちらも記載する必要があるのでは?

②取引に該当する地域周辺に活断層が通っている場合も告知しなくてはいけないのでは?

③特に西日本ではある大陸からの大気汚染による被害もある可能性があると告知しないと?

④もしかしたら「スギ花粉」が非常に多い地域です

なんてことも、記載したほうが買主さんのためになるけど、売主さんからしたらその逆の可能性が。

 一生に数回しかない大きな買い物ですので慎重な取引が求められるのは当然だと思いますが・・・。 

 真剣に考えてみたいと思います。